元塾講師による本のご紹介ブログ。大学入試参考書がメインです。

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えっと、時節柄、「大学の新入生に薦める本」を紹介したいと思います。
今んとこ3冊予定。
理系文系問わず興味深く読めるものを取り上げるよ。
内容的には、意欲的な高校生でも読めると思う。実際にぼくが高校生~大学生のときに読んで、感銘を受けた本です。

物理学はいかに創られたか(上)(下) (岩波新書)

◆かの有名なアインシュタインと、彼の高弟インフェルトによって書かれた物理学の本。
(実質的にはインフェルトの手によるらしい)
数式を使わず、しかも専門的予備知識も不要。
内容が内容だけにさらっと読める本ではないが、じわじわと読み進めれば理解できるように書かれている。
たとえ全部わからなくてもいいじゃない、物理学の広大な世界の一端を覗くだけでも素晴らしいことだと思う

◆特に特殊相対論・一般相対論のところ(上巻後半~下巻前半)が面白い。
ぐいぐいと読み手を引き込む力がある。「場の概念」、「エーテルは存在するのか?」というあたりが山場だね。
コンパクトながらも相対論のエッセンスはつかめるよ。

◆ぼくは高校生のときに、アインシュタインの名前にひかれて買ったんだけど、興奮して読んだ。
(当時のぼくは「慣性系」という概念に引っかかって、頭を悩ませていた。丁度この本の(下)にぼくの疑問と同じことが書いてあり、おお!と思った記憶がある)

◆大学の先生も新入生にこの本を薦めることが多いよ。
名高い物理学者によって心をこめて書かれたいい本です。
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タグ : 新書



入試現代文に好んで出される文章、その作家というものが存在する。
中村雄二郎氏はその中の一人である。
数年前、中学塾の生徒が受けた高校の入試問題で、「パトス」とか「受苦的存在」という言葉が並んでいた。
これを見て、「ああ、中村雄二郎でしょ!」とわかった。

いきなりそれらの用語を並べられたらギョッとしますよね。
氏の著作を読み、多少は慣れておくことが望ましい。
実際、その生徒はちんぷんかんぷんだったという。
まあ、どの道、高校入試には難しすぎますがね…

中村雄二郎氏の文は早稲田大などの難関大にもよく出される。
それは、難しいが非常にしっかりと(「論理的に」と言ってもよい)、密に書かれており、読解力を試すには最適であるからだ。
幸い、『術語集』という、新書の形で世に出ている。
あらかじめ読んでおこう。

僕は高1~高2の時に読みました。
『術語集』は、いわゆるキーワード集。一項目5ページで書かれている。
しかし、受験参考書のキーワード集とは明らかに一線を画する。
その高度な内容、圧縮された文章は相当に頭を使わないと読みこなせない。
ただ、5ページでまとまっているので、何度も何度も繰り返して読むのが容易になっている。電車の中などの短い時間でも読めるよ。

5ページ全部がわからなくたっていいじゃないですか。
読んだ分だけ、頭を使った分だけ、力になるのですから。教養も身につくよ。

現代文の先生は必ず読んでいる本のはずです。
分からないところがあったら質問しよう!
「ムム、できる生徒だな」と思われるよw

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本書は「応用倫理学」の入門書である。
応用倫理学とは、我々の実生活に密着した倫理学、と考えてもいいだろう。
興味をそそられるトピックが盛りだくさんである。
・ヘアヌード写真集が店頭に並ぶのを規制すべきか?
・エイズ患者のプライバシーは?
・自分の子供に「悪魔」という名前をつけるのは許されるか?
・先進国では死刑廃止論が優勢。日本はどうするべきか?
・鯨は食べてよいか?


今から15年ほど前の本ですが、当時のナマの社会問題・時事問題をあつかっています。
新聞記事が切り抜きのまま紹介されていたりして、生々しい。
ここからも分かるように、机上の空論ではなく、我々が不可避の問題をとりあげているのですね。
加藤氏がそれらについて論じる様は、現在でも(そして将来も)参考になるでしょう。
(さすがに「宮沢りえの写真集」が登場するあたりは時代を感じてしまうが(笑))

この本は受験生の小論文対策としても使えると思う。
小論文を受験生に書かせると、多くは似たり寄ったりの内容となる。

自分の子供に「悪魔」という名前をつけるのに賛成か
→賛成の立場の理由:
①自分の子供にどういう名前をつけようと親の自由である。親のやる事に役所は干渉すべきでない。
②「悪魔」は良い名前だと思う人もいる。自分の価値観を押し付けるのは良くない。
→反対の立場の理由:
そんな名前をつけられた子供がかわいそうだ。親は子供の気持ちを考えていない。

加藤氏によると、これらが世論でよく見られる意見らしいが、予備校・塾でこのテーマを論じさせても、実際にこれらの枠内に収まってしまう。
そのような論文は、世論一般・常識の範囲内で、面白みがないものになる。

鯨は食べてよいか?
→鯨は高度の知能を持った動物であるから、保護しなくてはならない。
こういう意見を見ると、教授は「あー、またかー」と思うそうなんですね。実際。
こういうのは誰でも考えつき、底が浅いんです。

元代ゼミの田村秀行先生もおっしゃっているが、大学教授は同じような小論の答案ばかり見せられてうんざりしているそうなんですね。ほんとに。
新しい視点・鋭い切り口を持った答案を渇望している。

が、突飛な意見を出すだけで、根拠が薄弱だと困る。論理的な思考が欠けていると、それこそ点数が低い答案になってしまう。

加藤氏のこの本は、幅広く客観的な立場をとり、世論の意見に欠けている視点を我々に教えてくれる。しかもかなり分かりやすい。
氏は、今や日本に蔓延している「自由主義」が、実はかなり特異なものであると説く。そのくだりは非常に説得力がある。

倫理学の問題は模範解答はない。加藤氏の意見も絶対的なものではないし、最終的に答が明示されていないときもあるが、「自分で深く考える」というかけがえのないチャンスが得られるだろう。

ちなみに、この本と、
・現代倫理学入門
・環境倫理学のすすめ

は、東大の授業でサブテキストに指定する先生も多いです。
(サブテキストというのは、授業中に解説しないけど、各自で読んでおいてねという本)
多分今回紹介した本が一番読みやすいと思う。
各自が興味のあるテーマだけ拾い読みする、というやり方でも得るものがあるだろう。
教養を身につける一環としても、読んでみてはいかがでしょうか?

タグ : 倫理学 新書

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