元塾講師による本のご紹介ブログ。大学入試参考書がメインです。

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今日は計算力を高める演習書の紹介です。
良い本で広くおすすめできるのだけど、
ぼくがここで本を紹介するたびに買っていては消化不良になるからね(笑)。
レビューを読んで、自分に必要な本だと思ったら買ってみてください。

合格る計算数学1・A・2・B

合格る計算数学3


<レベル>
教科書~入試の基礎固めレベル。
偏差値でいうと高2で50弱~65くらいの人がやると効果的。

<おすすめ度>(最大で★5つ)
★★★★★

<こういう人にオススメ>
計算力をつけたい受験生。特にセンターで時間が足りなくなる人、理系で基礎学力を固めたい人。

<コメント>
◆入試では「計算だけ」の問題は少ないが、計算力はどこの大学でも要求される。センターでも計算力は非常に大事です。
数学が苦手な人は計算力が弱いことが非常に多い。
高校になると、多量の「演習」をする機会が減ってくるからね・・・
その意味で、数学の土台をしっかり固めるための本と言ってよい。

純粋な計算だけではなく、基礎固めとなる事柄を割と網羅してあります。
(図形問題もよく載っている)

◆この本は、
「数学ができる人は普通に(自然に)このような計算法で解いてるんだよ。」
と、計算の仕方を手取り足取り教えてくれる。
(親切すぎて紙面がごちゃごちゃしているのが欠点だが、困るというほどではない)
つまり、「(時間をかけて)ただ解ける」から、「スムーズに速く解ける」へ導いてくれるんだな。
「いまいちな方法」「へたな方法」を「良い方法」と比較して教えてくれるているのが類書に無いところだね

◆高校ではよく「教科書傍用問題集」が配られるが、
解説が貧弱(解説編が配られない)、しかも高校で解説もされない・・・・ということもままある。
そうすると、「我流」で解くことになり、悪い癖がついたままになってしまう(しかもそれに気づくこともない)。
僕が実際に塾で教えてたときにも気になっていたことだ。
普通の本では計算の仕方まではクローズアップされないからね。
そういう意味でこの本は貴重だ。

◆著者によると、教科書が半分くらいわかっていれば取り組めるということだ。
教科書の例題がだいたいは分かる、という人がやるとよいでしょう。
この本の最初は「整数」がらみで結構難しいので、3章(整式)くらいからはじめてみるのがおすすめだ。
高2の今頃(5月くらい)~高3夏終わりくらいにやるのが効果的かな。
高1生が、長期休暇に、これまで習ったところの復習・練習として使うのもいいね。
理系の人は早めに始めよう。

◆問題数が多く、結構時間がかかる。(計算問題は復習も大事だ!!)
毎日毎日コツコツやろう。
3ヶ月くらい、ある程度の時間をかけてやりましょう。



◆やり方としては、とにかくこの著者の言うやり方をマネしてみること。
自己流でやるのならこの本を使う意味がありません。
よっぽどこの本のやり方が合わないならともかく、できるだけこの本の言う通りにやってみることです。
(変なやり方ではないから安心してね。普通のことを普通にやろうという話です)
◆問題数が多いので、最初は各章の半分または3分の1を解いてみたらどうかな
1~2日後に残りの問題を復習として解く。
ある程度進んだら、そこまでのところを復習して繰り返し解く。
一週間のサイクルとして、
「月曜~金曜に先に進めて、土・日でそれまでの復習をやる」
というのもいい方法だ。いろいろ工夫してみてね。
数学が苦手な人は反復が大事だ。毎日少しずつでいいから粘り強く進めよう。
答合わせをしたら、
 完全にわかった→○
 ミスが多い→△
 わかっていない→×
 解けたが解法があまり身についていない→☆
などの印をつけておくと、復習に役立つだろう。
(大問ごと、章ごとにおおざっぱに印をつければいいです)

まあ、気楽にはじめてみよう。
大切なのは実際に問題に当たって、学習を反復継続することです。



なお、この本とセットで「基礎問題精講」をやると入試問題へのつなぎがスムーズに行くと思います。
両方良い本なので検討してみてね。
数学1・A 基礎問題精講 四訂版


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タグ : 高校数学.参考書個別レビュー 高校数学.入試準備

遅くなってすみませんけど、「2週間で完成! 整数問題」のレビューです。
基本的にはAmazonなどの通販で手に入るらしいが、大型書店だと店頭に置いてある場合もあります。

2週間で完成! 整数問題

「教科書編」+「実戦編」から成る。
基礎事項の説明があるけど、全体としては問題を通して整数分野を学ぶ感じだ。

<レベル>
◆「教科書編」は教科書を終えたら読めるということになっているが、
一応教科書を終えている(学校で習っている)くらいではなく、
「教科書の内容を他人に説明できるくらい理解しており、章末問題までがしっかり解ける」レベルが要求されるだろう。
◆教科書編からして、入試標準以上の問題が含まれる。
自力で解ければそれでいいが、解けずともめげずに、解答を理解&再現できるようにしよう。
(整数問題は他分野と異なる、特有の考え方が必要な問題も多いんだ。初見で解けなくても別に良い)
◆本書の最初に書いてあるが、東大・京大の難問は入っていない。「手数が多く計算が長いため」だからと言う。
しかし、本書の手法が身についていれば、難関大でもまずまず戦えるだろう

<おすすめ度>(最大で★5つ)
★★★★☆

<こういう人にオススメ>
整数問題を短期で攻略したい、中堅以上の大学を目指す受験生。

<コメント>
126ページとコンパクトな中で、整数問題の重要な問題、そして必須手法をうまくカバーしてある。
「マスターオブ整数」は(難関大志望者にとっても)やっぱり重いからね・・・
こういう本が出たことはじつに喜ぶべきことです。
◆解説は割と簡潔です。もうちょっと補足説明が必要な人もいるかもしれないね
問題の背景にある事柄(背景知識)の説明は詳しいです。
実際の利用者は、数学が得意な人ということになるかな。

「Action」という、考え方・解法のポイントが時折差し込まれるが、これは非常に重要
「少なくとも1つ」ときたら証明問題なら背理法 など)
これらは頭にたたき込み、他の本で演習する際にも積極的に活用したい。

◆なお、「2週間で完成」と書いてあるが、実際には1ヶ月以上かかるかと。(受験生は整数ばかりやるわけにもいかないしね)
整数分野はなじみが薄い人が多いだろう。3回繰り返そう。

◆特に教科書編で雑談というか、脱線というか、小話が入ることがある。
特に著者の少年時代の分身である「安田少年」が出てくるのだが、このあたりに抵抗を感じる人(=雑談を寒いと感じる人)もいるかもしれない。
まあそのあたりは「安田節」ということで流しましょう(笑

※僕は安田先生は好きです。結構。



なお、基礎の基礎から整数問題をやりたい~~という人は、
佐々木隆宏の 整数問題が面白いほどとける本

が良いのでは。
小学校レベルから書いてあります。
410ページと分量が多いので、ダレずに復習する必要があるけどね。
普通の受験生は第3章までをやればいいです。


それから、教科書的な説明を、踏み込んだレベルまで書いてある本としては、
総合的研究数学

が良いです。(整数にかぎらず他の分野も良い)
気軽に読めるわけではないけど、日々着実に取り組み、数学の本質を理解したいという人にはおすすめだ。

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー

数学の参考書について、かるくレビューしていきまっす。
難関大志望者用の物が多いです。
いくつかについては改めて本格的レビューをするつもりです。(使おうと思う人で、待ちきれなかったらコメント欄なんかで聞いてください)

ハイレベル数学1・A・2・Bの完全攻略

オススメ度★★★★★
問題のヒントである「アプローチ」、そして解答を読んだ後にさらに深く理解する「フォローアップ」が嬉しい。
関連する問題が豊富にあげてあり、有機的に知識がつながる。
すごい難問はないが、実力養成に非常に有効。
難易度としては、おおむね
「1対1対応の演習」・「標準問題精講」よりやや上、
「ハイレベル精選問題演習」・「医学部良問セレクト77」より下
といったくらいです。(だからこれらのつなぎとして使える)

東大志望の人なんかが夏休みにじっくりやるとよいかもね。

2週間で完成! 整数問題

待望の安田氏の整数問題本ということで是非買いたいのだが、本屋に売っていない。
必ず入手してレビューします。

大学入試問題で語る数論の世界―素数、完全数からゼータ関数まで (ブルーバックス)

オススメ度★★★★☆
入試問題を、各テーマごとに分類し、数論の奥深さを見せてくれる本。
問題を入試数学に絞ったのが良く、ブルーバックスにありがちな中途半端感がない。
内容豊富で、数学好きな人は楽しめるだろう。
(入試対策というより息抜き(?)として読んでね)

理系標準問題集数学

オススメ度★★★☆☆~★★★★☆(学習の到達度による)
「標準」とあるが、ハイレベル。国立上位以上・早慶レベルだろう。それなりの覚悟がいる。
あっさり解ける問題は少なく、手数が多かったり解きにくかったり・・・と一癖ある問題ぞろい。
「初見の際どこに着目するといいか」というアプローチ的部分が弱い感じが。
演習的性格が強い。冬にやってよいくらいだ。

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー

『大学への数学 ちょっと差がつくうまい解法』のレビューと内容紹介・使い方です。
「うまい解法」とあるとおり、普通の本にはあまり載ってない別解集、技の習得本という感じが強い。
数学が好きな人なら面白く読めると思うよ。そんなに厚くないしね。
『本質の解法』『極選』などのスタンダードな本を終えたあとにやるとよいでしょう。

大学への数学 ちょっと差がつくうまい解法(東京出版)

<レベル>
レベルとしては入試標準~やや難、同出版社の『1対1対応の演習』くらい。(1A2Bの『1対1対応の演習』を終えた人が復習として使うのもよい)
いわゆる難関大の問題は少ないけど、歯ごたえがある。

<おすすめ度>(最大で★5つ)
★★★★☆

<こういう人にオススメ>
数学が得意で、高校で習う内容に飽き足りない人。別解を学びたい人。
入試までに時間的に余裕のある人(演習しないと身につかないから)。

<コメント>
◆数1A2B範囲が中心です。分野横断的なので、1A2Bの全範囲終えてからやろう。(一部、数3既習者への注も入るけど、別に数3はやらなくても十分使えます)

書名にもあるとおり、高校で習わない技が中心。
こういうのは標準的な解法の上にさらに積み上げてこそ意味がある。
だから本当は、例題が自力で(=標準的な解法で)半分以上解けるくらいの人がやると効果大です。
(この本で別解を学ぶという感じで使えるからね)
◆まあ初見では解けなくていい。解説を読んで理解する(そして1~2週間後に自分で再度解いてみる)ようにすればいいよ。
数学が得意で、高校で配られる教科書傍用問題集がすらすら解けるくらいだったら理解できると思うよ。

◆各例題を通して「うまい解法」を学んでいくのだが、説明はそのまま答案に書けるようにはなっていない
解説のための「無駄」というのが含まれます。ここは一長一短だが・・・
◆だから復習のときに自分できちんとした答案に改めて書くとよいだろう
練習問題の解答は答案にそのまま書ける形なので、これを見習うといいよ。

◆技を理解して自分のものとするには充分な慣れと演習が必要。入試直前期になってあわててやる本ではありません。
高3春~夏くらいにやるといいかな。

◆「本書の構成と利用法」に書いてあるとおり、この本は全部読まなきゃ力がつかないというわけではない
使えるところだけ使えばよろし。あせらずゆったりやろう。

以下、追記で、各項目のおすすめ度というか優先度(★3つが最大)を中級者・上級者に分けて紹介します
「中級者」は、標準的な入試問題が解ける程度。
「上級者」は、高2偏差値70以上、高3偏差値65以上の難関大志望者を想定しています。
[『ちょっと差がつくうまい解法』 レビューと内容紹介・使い方]の続きを読む

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー 高校数学.東京出版系

「医学部良問セレクト77」(聖文新社)の紹介・レビュー・感想です。


<レベル>
◆難易度としては、難関大医学部で差がつくレベル。
大学への数学月刊誌でいうところのC~D(やや難~難)が中心です。
一口に医学部といっても出題は様々なんで、数学が難しくないところ受ける人はこの本のレベルは不要です。
医学部はセンターも大事だからね!そのレベルの対策もおこたらないように。
◆難しい。難しいんだけど、奇問・悪問はないと思う。
一生懸命考えた分だけ力がつく良い問題が多いです。
どこの医学部受けるとしても、ここまで出来れば数学では有利となるでしょう。あとは過去問やるくらいですね。

<おすすめ度>
★★★★★(上位~難関大医学部志望者)
★★★★☆(難関大他学部志望者)

<こういう人にオススメ>
◆上位~難関大医学部志望者で、入試のやや難レベルまで解けるようになった人。
河合塾の全統模試でいうと偏差値70。
問題集だと、たとえば東京出版の『1対1対応の演習』の「演習題」レベルまでスムーズに解ける人。
数3範囲では、東京出版の『基礎の極意』レベルまでやっていることが望ましい。

<コメント>
◆医学部対策として書かれた本。
医学部で数学が難しいところを受ける人にはとてもおすすめの本だ。
◆いわゆる例題が77題、その類題として99題のReview問題がついている。まずは例題だけ全て終わらせ、一度復習し、続いてReview問題をやるのがいいだろうか。
◆問題はやっぱり医学部のものが中心。
数式処理が面倒なもの、場合分けが煩雑なもの、手順が多く完答するのが大変なものなど、医学部数学的なものが多いです。
だから医学部志望者がやるのがいいけど、難関大の理工系の人がやってもかまわない。
ここまでのレベルが必要な人は限られてくると思うが・・・

◆解答の前に、「GuidePostMap」というコーナーで仮定・目標・方法を見やすく提示してある。
設問で要求されていることを読み取り、解くための目標を定め、そのためにどうすればよいかを教えてくれる。
10分考えて手が動かなかったらここをヒントとするのが良かろう。

解答は丁寧です。欄外に補足説明もあるので、式を追うのにあまり困ることはなかろう。
(このレベルだと、むしろ「発想」の方が厳しいが。「GuidePostMap」や「研究」を活用しよう。)

◆「研究」として、背景知識や別解が紹介されている。ここは是非読んでおこう。



◆なお、難関大対策としては、旺文社の『ハイレベル精選問題演習』もおすすめだ。
 
こちらの記事にレビューを書いたんで、見てみてください。)
難易度としては1A2B範囲は『医学部良問セレクト77』の方が難しい。
3C範囲はほぼ同じかな。


◆『ハイレベル精選問題演習』の方はできるだけ受験生に合わせた、自然な解答を用意してあり、巧妙な解法・突飛な発想は避けてある。シンプルで、同時に裏では教育的配慮がなされている。
◆『医学部良問セレクト77』は技巧的な解法も含む。むしろ「別解」の方で普通の(思いつきやすいが回りくどい)方法が提示されていることがあるので、別解まで目を通すようにしよう。

◆東大受ける人はハイレベル精選問題演習の方が傾向的に合っているけど、
『医学部良問セレクト77』をやってもいいです。
第3章、第4章は『ハイレベル精選問題演習』より難しい問題があり、しかも東大で差がつくところだ。
たとえば3.10のような求積問題は東大で出てもおかしくありません。
第6章の微積範囲の選問もいい。

◆まあどちらもとてもオススメの本なんで、外れはないと思います。


以下、各章の簡単な感想です。参考にしてみてください。


●第1章、数式処理がやや面倒なものが並ぶ。
自分の今やっていることを見失わないようにし、手際よく処理したい。
◆なお1.7のガウス記号は難関大では頻出。早稲田でもよく出るよ。Review問題まで解き、できれば他書で補強しよう。
整数問題の収録が少ないかなー。過去問を見て、整数問題が好んで出されるようなら月刊誌「大学への数学」(東京出版)で補おう。


●第4章、場合の数・確率のところ、ここでもハードな問題が並ぶ。慶應医学部は難しいだけでなく、時間制限が厳しいからね。泣きたくなってくるよ。
でも良い問題が多い。4.6は頻出中の頻出(難しくはない)。4.9はチャレンジングな問題だが、時間をかけて考えてほしい。


●第6章、微分と積分のところ、いかにも難関大や医学部に出そうな良問が選ばれている
◆6.6「リサジュー曲線と面積」は、この問題ではグラフが与えられているが、
グラフの概形も自分で描かねばならない場合がある(できれば増減表を作らずに描けるようにしたいが・・・)。
この曲線は物理学にも関係するよ駿台の『新・物理入門問題演習』のp.125、実戦演習19はこれに関わる問題だ。
ネットで「リサジュー曲線」「リサジュー図形」「オシロスコープ」などで検索するといろいろ情報が得られるだろう。
6.7「ハイポサイクロイド」6.9「回転一葉双曲面」6.11「弧長と面積」は、レビュー問題も含めて必ず解いておきたい。
「弧長」は現行課程だと範囲外かもしれないが、私大医学部では普通に出してくるでしょう。
難関大医学部だとこのレベルで差がついてくる。
6.10は難しいが、知識としては『1対1対応の演習』レベルでいける。基本に忠実に、図をしっかり描いていけば解ける。がんばろう。
なお、Review65は上位~難関大で頻出。ぜひ解くように。


●第7章、行列と1次変換では計算処理が多くなってくる。
7.6「A^nとスペクトル分解」、7.10「f-不変な直線」、7.11「1次変換と2次曲線」のあたり、有名な事実を背景に持つが、問題としては手強い。
◆「対角化」の扱いは大学によって異なる。今の入試では、多くの場合は誘導に従えば解けるようになってるかな。
◆行列の問題は、大学数学の「線形代数」がバックにあるものが多いが、深く知らなくても一応は解けるということだ。
行列は問題演習が不足しがちだが、出題パターンに慣れ、問題の誘導に乗っかれるようにしていこう。
初見では解けずともいいから、丹念に復習することが大事だ。この本が難しかったら『1対1対応の演習』を繰り返しても結構カバーできるだろう。



こうやって見てみると、医学部に合格するのはやっぱり大変だ!(人命に関わる職業だから大変なのは当然だが・・・)
でも一応大学入試なんだから、出題範囲も決まっているわけよ。
この本のレベルまで出来れば合格が見える。まずは例題を焦らず、着実にこなしていこう。

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー

東京出版の増刊書籍、数学3Cスタンダード演習の紹介です。

◆他の網羅的な本(東京出版の『1対1対応の演習』や旺文社の『本質の解法』など)を一通りやり、
さらに演習を積みたいという人へのお薦め本。
ぼくの推奨する使い方だと、9章・10章中心になるので、それが嫌だという人は『基礎の極意』を使ってください

『基礎の極意』については、こちらの記事を見てね。これも非常に良い本です。

●『基礎の極意』は知識の整理に良いし、問題もテーマごとになっていてやはり「分類・整理」という感じが強い。
●『数学3Cスタンダード演習』9章・10章は、ボリュームある融合問題で、実戦的という意味では『基礎の極意』以上です。



この本は9章、10章の「実戦演習」を中心にやるといいよ。9章24題、10章22題、計46題。夏休みで反復してできる量だ。
◆なぜここを薦めるかというと、融合問題が多いから。
大問1問の中に、複数のポイントが入ってきて、万遍なく力がついてないと完答できない。

◆入試頻出の良問を選んであり、難易度もよく考えられている。
同出版社の『1対1対応の演習』(の演習題)からつなげるとちょうどいいだろう。
『1対1対応』では融合問題がやや手薄だから、それを補う意味でもいいね。

◆9章、10章の「実戦演習」は、早稲田・国立後期・医学部・旧帝大の問題が多いです。
レベルとしては、B問題:C問題=3:1くらいの割合で入ってます。(ただB問題も、C寄りのBという感じ)
微積はパターン的なところがあるから、いくら国立後期・医学部といえどこのレベルが中心なんだ。
30分くらいかかるボリュームある問題が多いです。

このあたりがミス無くしっかりできるかどうかで、医学部や難関大では差がついてくるだろう



◆1~8章は難しくはありません。「1対1対応」の例題くらい。
(行列・一次変換はやや易、「いろいろな曲線」のところはやや難しい)
◆『1対1対応』をやっていれば、本書『3Cスタ演』の1~8章はやらなくてもいいんだけど、
(特に)現役生はどうしても数3Cの演習量が足りなくなるから、問題慣れとして補助的に使用するのもいい。
『1対1対応』ができていればその復習なんで、サクサク進むよ。



◆東京出版の数3を扱った本のレベルは、大体次のとおり。

1対1対応の演習(例題)=3Cスタンダード演習(1~8章)
<1対1対応の演習(演習題)
≦3Cスタンダード演習(9・10章)=基礎の極意
≦解法の探求・微積分


◆3Cスタンダード演習は問題演習中心、
基礎の極意は、背景知識の整理&上位大の典型問題中心
解法の探求・微積分は発想法中心
となってます。
●基礎の極意はこの記事
●解法の探求・微積分はこの記事を参考にしてね。

◆ぼくとしては、
1対1対応の演習+基礎の極意
または
1対1対応の演習+3Cスタンダード演習(9・10章)
のコースがお薦め。
これで難関大の問題にも対応できると思う。

◆これ以上を望むなら、旺文社の「ハイレベル精選問題演習数学3+C」だね。

でも、まずは3Cスタンダード演習・基礎の極意までを繰り返ししっかりやることが大事!
微積の問題は反復、反復なのです。

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー 高校数学.東京出版系

今からでもあきらめない!基礎から固める数学、ということで「土曜日に差がつく数学 典型問題エクササイズ」の紹介だ。
「計算力エクササイズ」の方ではないので、書店では間違えないよう。

土曜日に差がつく数学 数学1A 典型問題エクササイズ


土曜日に差がつく数学 数学2B 典型問題エクササイズ


<レベル>
教科書レベル~入試基礎
<おすすめ度>(最大で★5つ)
高1・高2入試準備★★★★☆
受験時★★★☆☆~★★★★☆(使う人のレベルと使用時期による)
<コメント>
◆この本の特徴は「夏から始められる入試数学」ということにある。

◆もちろん入試対策は早ければ早いほうがいいよ。夏から基礎固め、というのは平均的受験生に比べれば遅い。
でも、文系でセンターのみ、という受験生の中は数学が嫌いで放置している人もいるのではないかな。
数学が苦手でも、やるとやらないとでは大違い。特に夏のうちに基礎を一通り終えているか否かは大きく違う。
入試のことを考えると、レベルとしてはこの本より下げるわけにはいかない。そう思って頑張ろう。

◆この本は
・教科書レベルから入試基礎まで、典型問題をカバー
・解説がまとまってて、公式も確認できる
・分量が少なく、短期間で完成可能

という3点がウリだ。
◆例題数だと、
数1Aが66題(図形と論理除けば57問)
数2Bが71題。
演習問題含めるとこの2倍で、計270題。数1A2B全部でこの分量というのはかなり少ないです
(例えば白チャートだと数1Aだけで700題以上ある)
苦手な人はチャートとか問題数が多いものは避けた方がいい。こういう薄い本を何度もやったほうがいいんだ。
◆入試基礎の典型的な問題に絞ってあるから、繰り返すことで定着しやすいぞ。

今から始めるんだったら、1~2ヶ月で一通り終わらせよう。(その後、1~2回復習を)
月曜~木曜…例題を解く。教科書で忘れてた公式の確認。
金曜~日曜…月曜~木曜で進めたところまでの演習問題を解く。例題を軽く復習。

などとやってみてはどうだろうか。
まずは例題に絞って解いていく、というのも一つの手だろう。

なお、この本からいきなりセンター過去問につなげるのはちょっと厳しい。
(センターは誘導付きだし、大問1問がいくつかの小問から出来ているから)
だから、11月半ば~12月にセンター用の参考書をやって、その後、過去問・模試問というのが良い流れだ。

◆高2冬での入試基礎固めにも使えるけど、その場合は時間に余裕があるだろうから、旺文社の『基礎問題精講』なんかをやってもいい。(網羅性では『基礎問題精講』が勝る)

数学が嫌いな人も多いだろうけど、やるとやらないとでは全然違うよ。基礎からがっちり固めていこう!

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー 高校数学.入試準備

ハイレベル精選問題演習数学3+Cのオススメ問題を。
 ※1A2Bはこちら。この本のレビューはこちらです。


あとで訂正するかもしれないし、またコメントなど追加したら、新着記事にその旨書いておきます。

この問題集の3C範囲は「標準問題精講」や「1対1対応の演習」をしっかりやってからの方がいいと思う。
この問題集は、非定型問題や、定型問題をひねったもの(定型問題を既にこなしてないと学習効果が薄い)が多いからね。

※なお、「行列と1次変換」については、大学で出題の仕方が結構違うと思う(行列のn乗と1次変換がどれくらい好んで出されるかで対策が違う)ので、ここでは除外してあります。
やらなくていいってわけじゃないぞ。志望校の出題範囲や過去問の傾向を見て判断してください。



力試しにやってみよう!問題は、
308(20分)、309(30分)、401(25分)、411(30分)
です。括弧内は制限時間。
難関大受験生のレベルでいうと、308はやや易、309と401は標準、411はやや難にあたるかな。
歯が立たないことはないだろうが、細部まで注意して最後まで解ききるには学力が必要、というものを選びました。
最初にこれらをやって学力を計るのもいいし、下記の「易しめレベル」からやるのもいいでしょう。



易しめレベルの問題(あくまでこの本のレベルとして易しいもの)は、
109, 201, 203, 302, 303, 407, 412, 509
です。
これらの出来が良くないようなら、もっと易しい問題集に戻った方がいいでしょう。



この問題集の中で定型問題(パターン問題)に近い問題は次のとおり。
103, 104, 315, 402, 404, 405, 406, 510, 511, 516
これらは一度解いたことがあれば楽にわかるので、復習を重点的にやったほうがいいな。
「標準問題精講」や「1対1対応の演習」とかぶる問題も多いと思う。


そして僕のおすすめ問題は、
106, 206, 305, 313, 403, 410, 417, 418, 506, 512, 513, 518
です。
・難関大志望者の間で差が付くレベル(ものすごい難問ではないが、差が付く)
・重要だと思われる事項・知識を含んでいる
・類題が出されやすい(発想的に)
という観点から選んであります。


参考にしてみてくださいね。

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー 高校数学.おすすめ問題記事

旺文社の「ハイレベル精選問題演習数学1+A+2+B」のオススメ問題をば。
 ※3Cはこちら。この本のレビューはこちらです。



とりあえず、これに手をつける人は、今の自分の力試しとして
203(p.54) と 412(p.136)
をやってみてはいかがでしょうか。
これらはいわゆる「難問」ではありません。でも難関大志望の受験生に解かせたら確実に差がつくだろう。
完全な解答を書くには、いくつかのポイントをクリアしなくてはならず、しかも、それらは、しっかりと数学を理解していないと突破できないからです。
25分くらいでどれだけミスなく記述できるか、試してみてはどうでしょうか。

ちなみにこれらは両方東工大の問題です。良心的な、優れた問題だと思います。



重要問題
次に、最難関大を受ける人にとって重要な問題をあげます。(いずれも問題番号)
かなり難しい問題もあるけど、解答の隅々まで妥協せず理解してほしいな。
107、114、408、608、704、705、908
◆114は頻出問題。別解含めてしっかりマスターしよう。
◆408も難関大では頻出。独学者にとっては手薄になりがちなとこだけど、非常に重要な問題。
単に解答を暗記するのではなく、考え方を理解するのが大切。
見かけは違っても、これと同様の手順が必要とされる問題があるので、解説をよく読み、他人に説明できるくらい理解しておこう。
409は408と考え方自体は一緒です。
◆608は東大・京大・一橋で出そうな問題。格子点の問題を解いたことのない人は、この問題で目の付け方をおさえて、他の問題に応用できるようにしておこう。
704は場合の数の本質を突いた、非常に良い問題だと思う。出典は結構昔の東大後期です。
もし704が難しかったら、703を解いてみてください。(もともとの問題ではこれらがセットになっていた)
◆908は整数問題の大事な考え方を含んだもの(大小関係の設定、不等式による絞り込み、数え上げ)。
◆これらは「東大らしい」問題でもあります。
特に東大志望者は理解を不十分にせず、思考法をしっかりと身につけておきたいところです。



準必修問題(結構大事な問題。頻出テーマであったり、重要手法を含んでいたり…)
早慶・旧帝大受験生がおさえておきたいものを選びました。
問題番号に続いて短いコメントをつけたので、復習の際参考にしてください。

110, 111 変数が二文字以上の場合、一文字を固定して考えるという手法は非常に重要。上位大に頻出。
202 ゴリ押しの計算問題ではない(それでも解けないことはないが)。角で考えるか?辺で考えるか?また、三角形の形状問題とも結びつけて。
212 東大受ける人は別解と参考も必ず目を通してください。
402 難しくはないが、「傾き」と聞いてtanに結びつけることができるか。上級者だとかえって盲点かも。
407, 409 407~409は「大学への数学」でいう「逆手流」(※正式な数学用語ではない)によって軌跡・通過範囲を求めるもの。上位大受ける人は是非是非マスターを。応用範囲が広いので、暗記ではなく原理をしっかり理解したい。408は頻出で、409はその応用。これら2題の別解は「包絡線」を意識した解き方だが、テクニックに走るところがあるので読み流せばよいでしょう。
501, 505 501は手際よく計算することが大事。参考の別解も読むように。505は記述答案にするにはやや苦労するか。「煩雑に見えるが、やるべきことは基本の詰み重ね」というのが東大の数2範囲の微積分の特徴。
506 「接線の本数を聞かれたら接点から攻める」というのは定石だが、この問題はさらにひねってある。
514 難しくはないが、文字がたくさんでめまいがする。何が目標か、方針をきちんと定めないと時間がかかってしまう。手早くこなしたい。
603, 604, 607, 609 数列の頻出問題・難関大で類題が出そうなものを選んだ。609の「未知数に大小関係を設定する」というのは重要な手法。お茶水・京都あたり、証明問題が難しいとこ受ける人は是非頭に入れてください。
703 もとは704とセットになっていた東大後期の問題。「区別の有る無し」という場合の数の本質がわかってないと解けない良い問題です。704(2)は難しいが、実は703(2)と704(1)がヒントとなっている。
708, 714 頻出問題。714(3)は誘導無しでも解けるようにしておきたい。(ヒントの関係式は記憶すべきもの
803, 806 難しいが、 将来類題が出されるかもしれない。時間をかけて取り組みたい。
907 ガウス記号[x]は難関大に頻出なので慣れておきたい。(他の問題集で補いたいところ)


なお、この本の中では易しいと思われる問題
101, 104, 110, 113, 301, 303, 401, 503, 509, 512
605, 606, 702, 804, 901, 910

しょっぱなの101なんかは、解答を読めば中級者でもわかるはず。自分で解けるかはまた別問題だが…
ここに挙げたのは楽々こなせるようになってほしいです。

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上位理系受験生のスタンダードとなりつつあるのが
微積分/基礎の極意
オススメ度:★★★★★(最大で星5つ)


◆これはいい本だ。東京出版の本の中でも構成・レイアウトが良く、見やすい。
有名問題、典型問題をカバーしているし、知識面もまとまっていて、よい確認になる。
「基礎の極意」と言っても、基礎から書いてあるわけではない。「教科書や網羅系の参考書に書いてある事項を、より高みに立って整理する」というような本だ。だから、最低限、教科書と傍用問題集くらいはやっておく必要がある。
偏差値65くらいあれば問題なく取り組めると思う。
偏差値70超の人がやっても得るものはある。医学部を受ける人は、これくらいはこなしておきたい。
◆問題数が絞ってありテーマ別に分類してあるので、夏休みに予備校の復習としてやるのにも向いていると思うよ。

本書は3部からなる。
第1部は計算力のチェック。区分求積を含め、必要とされる計算は大体そろっている。
制限時間の目安も書いてあるので、繰り返して、速く解けるようにしよう

第2部は数3の知識のまとめ。「知っておくと得」という感じなので、あまり気張らずに、暇なときに読めばいい。
※全部で200項目あるので、初めてやる人には量が多いかもしれない。
そこで、ぜひとも知っておくべきもの、盲点になりがちなもの、入試で役立つものを40くらい選んでみたよ。これらから読んでみよう。
・極限
8, 10, 11, 14, 18, 20
(※11~24はやや高度だが、大学に入ってからも重要な事柄なので、できれば何も見ずに導けるよう、繰り返し書いて訓練するとよい。特に単科医を受ける人。)
・グラフ、無限級数
31, 32, 34~36, 40
・微分
54, 55, 62, 64, 65, 75, 85, 89, 90, 93, 96, 101
・積分
107, 112, 117, 122, 130, 139, 141~143, 145, 156, 167, 173, 178~181, 199

第3部は有名問題・典型問題がテーマごとに並べられている。
配列の仕方が普通の問題集と異なるのが特徴。数3の微積は、大学でやる数学(「解析」という分野)を背景にもつ問題が多いので、テーマごとに整理するのは良いことだ
計64問なので、全部やっても1ヶ月くらいで済むだろう。

解答には【Point】という、ヒント・まとめがついているので、5分考えて分からなかったらここを読んでから解こう。
◆数3のこの分野は「うんうん粘って考え込む」というところじゃない。初見時に時間をかけて取り組むよりも、復習に時間を割いた方がいいだろう微積分特有の思考法を、問題演習を通して身につける、という感じで進めよう。

◆難易度・必須度は書いてないので、僕が以下、個人的に重要な問題をピックアップしてみました。
まずはこれらの問題から解くといいと思います。スラスラと手が動くまで繰り返してください。

・偏差値65くらいの人にお薦めしたいもの。
9,10,15,16,22,25,28,35,38,46,47,48,51,56,58
・偏差値70くらいの人にお薦めしたいもの。
6,7,18,19,21,23,24,29,30,34,42,43,53,54,55,57,61

参考にしてみてください。

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