元塾講師による本のご紹介ブログ。大学入試参考書がメインです。

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『大学への数学 ちょっと差がつくうまい解法』のレビューと内容紹介・使い方です。
「うまい解法」とあるとおり、普通の本にはあまり載ってない別解集、技の習得本という感じが強い。
数学が好きな人なら面白く読めると思うよ。そんなに厚くないしね。
『本質の解法』『極選』などのスタンダードな本を終えたあとにやるとよいでしょう。

大学への数学 ちょっと差がつくうまい解法(東京出版)

<レベル>
レベルとしては入試標準~やや難、同出版社の『1対1対応の演習』くらい。(1A2Bの『1対1対応の演習』を終えた人が復習として使うのもよい)
いわゆる難関大の問題は少ないけど、歯ごたえがある。

<おすすめ度>(最大で★5つ)
★★★★☆

<こういう人にオススメ>
数学が得意で、高校で習う内容に飽き足りない人。別解を学びたい人。
入試までに時間的に余裕のある人(演習しないと身につかないから)。

<コメント>
◆数1A2B範囲が中心です。分野横断的なので、1A2Bの全範囲終えてからやろう。(一部、数3既習者への注も入るけど、別に数3はやらなくても十分使えます)

書名にもあるとおり、高校で習わない技が中心。
こういうのは標準的な解法の上にさらに積み上げてこそ意味がある。
だから本当は、例題が自力で(=標準的な解法で)半分以上解けるくらいの人がやると効果大です。
(この本で別解を学ぶという感じで使えるからね)
◆まあ初見では解けなくていい。解説を読んで理解する(そして1~2週間後に自分で再度解いてみる)ようにすればいいよ。
数学が得意で、高校で配られる教科書傍用問題集がすらすら解けるくらいだったら理解できると思うよ。

◆各例題を通して「うまい解法」を学んでいくのだが、説明はそのまま答案に書けるようにはなっていない
解説のための「無駄」というのが含まれます。ここは一長一短だが・・・
◆だから復習のときに自分できちんとした答案に改めて書くとよいだろう
練習問題の解答は答案にそのまま書ける形なので、これを見習うといいよ。

◆技を理解して自分のものとするには充分な慣れと演習が必要。入試直前期になってあわててやる本ではありません。
高3春~夏くらいにやるといいかな。

◆「本書の構成と利用法」に書いてあるとおり、この本は全部読まなきゃ力がつかないというわけではない
使えるところだけ使えばよろし。あせらずゆったりやろう。

以下、追記で、各項目のおすすめ度というか優先度(★3つが最大)を中級者・上級者に分けて紹介します
「中級者」は、標準的な入試問題が解ける程度。
「上級者」は、高2偏差値70以上、高3偏差値65以上の難関大志望者を想定しています。
1 目で解く方程式
おすすめ度:中級者★★ 上級者★
方程式をグラフによって視覚化して解くというもの。考え方としては大事だが、普通の網羅系参考書にも載っている事柄。ただ、例題5なんかは難しいので、上級者もその問題は解いておこう。
中堅大までの人は例題2が自力で解ければいいかな。

2 m(a), M(a)のグラフ
おすすめ度:中級者★★★ 上級者★★★
ここで紹介されているのは、普通の参考書にはあまり載っていない解法だ。
この考えを身に着けておくと、煩雑な場合分けを回避できるときがしばしばある。文系の人も知っておくと便利だ。
ただし設問の誘導の仕方によっては、この解法ではなく「回りくどい」解法で解かねばならない場合もあるので注意
類題は網羅系の参考書にも載っているはずなので、よく演習し、応用がきくようにすること

3 座標平面上に実現する
おすすめ度:中級者★ 上級者★★
これも条件を視覚化するという技。例題には「知らないと解けないよー」というパズルチックなものがあるので、初見で解けなくても気にしないように。
もうちょっと実際の入試から豊富な問題をあげてほしかった気もするが
「内積で実現する」というのは重要(普通の本にも載ってることが多いが)。
「コーシー・シュワルツの不等式」も内積を利用すると簡単に証明できる

4 曲線の束
おすすめ度:中級者★★ 上級者★★
僕が高校生のころは教科書にも載っていたが、現在はどうなのだろうか。
ともかく、私立中堅大くらいでもこれを使うことが前提とされた問題が出される。
上級者でも案外盲点となっているときがあるので注意。

5 逆手流
おすすめ度:中級者★★ 上級者★★★
教科書には載っていないが、上位大では必須となる手法。最大・最小問題や軌跡と、応用範囲も広いので十分に演習を積むこと。丸暗記ではどうしようもないところです。
「逆手流」というのは『大学への数学』独自の用語です。「逆像法」と呼ぶ本もある。
数学用語ではないので、答案には「逆手流」という用語は書かないように。
理解するのはなかなかきついかもしれないが、具体例を通して少しずつ身に着けよう。
例題1~3が好例だと思うので、まずはこれをマスター

6 線形計画法
おすすめ度:中級者★★ 上級者★
教科書にも載っている。
易しい大学でも出題される恐れがあるので、知らなかった人は教科書を読んで復習しておきたい。
考え方自体はあまり難しくないところです。

7 通過領域
おすすめ度:中級者★ 上級者★★★
「逆手流」に密接に関連する事柄。難関大では必須となる解法。
東大・東工大なんかでもよく出される。上級者向きの参考書には載っており、知らないと差がつきます。
例題2のいわゆる「ファクシミリの原理」も非常に重要。kを初めは定数と扱い、次に変数として動かす、という考え方が大事なのです。
なお、「ファクシミリの原理」も数学用語ではないので、答案に「ファクシミリの原理より~」などと書かないこと。

8 余事象・和事象の確率
おすすめ度:中級者★★★ 上級者★
教科書にも普通の参考書にも載っているところ。(なので上級者は軽く流せばよいかと)
センターにも出される頻出問題なので、中級者は例題でよく練習しておこう。

9 合同式
おすすめ度:中級者★★ 上級者★★★
「余り」や倍数に関する整数問題は、「合同式」を使うと見通しよく解ける。
計算がとても楽になるのです。難関大の証明問題もサクッと解ける場合がある
新課程の人は整数問題が重要となってくるから特におすすめしたい。
(でも、中級者で「うーん、よくわからん」という人は無理に身につけなくてもいいかな)

10 3次関数の見方
おすすめ度:中級者★ 上級者★
んーここのところは、「解法」というより、3次関数に関する有名性質・重要事項が集められているな。
自力で解くというより復習重視でいこう。
「数2微積」という分野の都合上、文系上位大・難関大志望者が読んでおくといいだろうか。

11 グラフの組み換え
おすすめ度:中級者★ 上級者★
解法の考え方としては難しくないんだけど、いざ例題に取り組むと厄介かもしれない。解答を見て理解できればいいよ。
数3ではこの考えがかなり大切なんだが、この本は1A2Bまでなのでありがたみが薄いかな
なお例題3は有名問題です。

タグ : 高校数学.参考書個別レビュー 高校数学.東京出版系

コメント
この記事へのコメント
為近の基礎物理、講義ノート、理標の基本問題、理標の実戦問題。
難易度順に並べるとどうなりますか?
易しい物から始めるつもりですが。
2012/11/28(水) 00:21 | URL | #-[ 編集]
Re: タイトルなし
> 為近の基礎物理、講義ノート、理標の基本問題、理標の実戦問題。
> 難易度順に並べるとどうなりますか?
> 易しい物から始めるつもりですが。
理標の基本問題≦為近の基礎物理<講義ノート≦理標の実戦問題
およそこれぐらいです。
2012/11/29(木) 18:21 | URL | 藤裏 薫 #-[ 編集]
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