元塾講師による本のご紹介ブログ。大学入試参考書がメインです。

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今日は大学物理(1~2年レベル)の、電磁気学の本の紹介です。
マクスウェル方程式の理解に特化した本、

マクスウェル方程式 電磁気学がわかる4つの法則

をレビューします。

◆普通の電磁気学の教科書では、実験事実を紹介し、諸法則を提示し、ベクトル解析など必要な数学を教えつつ、最後にマクスウェル方程式にたどりつく、というようになっています。で、学生の方はマクスウェル方程式を出される頃には青息吐息・・・なんてことが往々にしてある(笑

この本では、逆に、マクスウェル方程式の積分形・微分形の表示から始まっている。
そこに、方程式中の物理量や数学記号が表す意味について、明瞭簡潔な補足がついている。(p.3上図のように)
そして、そのマクスウェル方程式を理解するにはどうしたらよいか、詳細な説明が続くようになっている。(5章で積分形から微分形への変換が導出されている)

◆だから一度電磁気学を習った人が復習するのに適しています
実際の授業では、節目節目でマクスウェル方程式を小出しにしていくでしょうから、授業と並行して副読本的にも使えると思います。

例題は具体的で平易です。計算は必ず自分の手を動かすようにしよう(眺めるだけではだめ)。

全体としてわかりやすい記述で、イメージを重視して、なるべく簡潔にいこうという感じ。
ここは好感を持てますね。
なお、数学が好きな人は、『電磁場とベクトル解析』(岩波書店)を読むとよいでしょう。

(ぼくは大学2年のときに、ベクトル解析の授業の副読本として読んだ。これは物理的イメージと数学的厳密性のバランスが取れた非常に良い本だと思う

◆初出の概念については、「面積分とは何か」くらいでもちゃんと説明がされている。
具体例を伴っているのがわかりやすいね。
(面積分に関しては、<密度が変化する面の質量を求める問題>が導入として紹介されている)
この結果、ガウスの法則の積分形の説明だけで30ページほど費やされている。
数学(特にベクトル解析)が苦手な人も付いていけるのではないかと思う。

図が多用され、イメージが湧くようになっているから、
たとえば、アンペール-マクスウェルの法則の積分経路についての説明も(pp.101-103)非常に丁寧だ。
大学の授業ではここまで親切に行うのはなかなか困難だからね。

発散(div)や回転(rot)のイメージについて、具体例をあげながら説明しているのもありがたい。
(それぞれp.36、p.85参照)
初心者はこのあたりでつまずくのよ。
特に回転あたりがでてくると、数式・計算に振り回されて、何やってるか直観的に把握できないからね。

これらのイメージと数式とを結びつけるには、
物理数学の直観的方法

なんかを参照すると良いだろう。
※最近の日本のベクトル解析の本でも、イメージを重視する本が結構出ている。自分のわかりやすい本を選んでください。



---おまけ---
◆マクスウェル方程式絡みとしては、以下の内容が重要。想定される学生のレベルや教官の好みによるが、テストにも出されやすいと思う。
(★印は頻出度を表す。章番号、ページ数は、『マクスウェル方程式 電磁気学がわかる4つの法則』の参照箇所)
ちょっと理論的な話に偏りすぎたかな・・・でも物理学を専門にする人はこれくらいはおさえておきたい。
工学部だと原理面よりも具体的な計算問題が多いと思います。そのあたりは演習書で練習してね。
◆それから、鏡像法、コンデンサー、インダクタンス、RLC回路なんかは、この本に書いてない、または弱い部分なので、授業ノートや他の本で補足してください。


★★★マクスウェル方程式の微分形・積分形を書けること。
★★マクスウェル方程式の式の表す物理的内容について記述できること。
(例:divB=0は、磁気モノポールが存在しないことを表す。)

ストークスの定理、ガウスの発散定理を使って、マクスウェル方程式を積分形から微分形に変換できること。(5章。p.129以下)

★★★対称的に分布した電荷の作る電場を求めること。(例題1.5、理解度チェック1.9、1.10など)

★★変位電流を導入して、アンペールの法則を修正することの説明。(記述問題。pp.104-108,pp.122-123)

マクスウェル方程式から、電磁波の存在を導くこと。そして光の速さを求めること。(pp.142-145)
このあたりは計算がややこしいが、感動的な結論なので、テストに出したがる大学の教官もいる。過去問を見て出題されているか確認しよう。
※なお、この本ではρ=0,J=0の条件を(5.14)の直前で使ってるが、もっと早い段階で使ってしまったほうが見やすいだろう。

大学のテストは過去問を入手して(もちろん習っている教官の物)、2~3年分解くのが一番良いと思います。
先生によって、出題の好みというのがありますからね。
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